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本願寺出版社『大乗』8月号に今年も広告を掲載

 
本願寺出版社『大乗』8月号に、今年も「復活蝋色」の広告を掲載しています本願寺出版社から発行されている、ブディストマガジン『大乗』。

浄土真宗本願寺派に関わる方々をはじめ、全国のお寺や僧侶の皆さまが手に取られるこの雑誌に、私「京仏具 藤田蝋色工芸」は、毎年小さな広告を掲載していただいています。

今年で8回目になります。

誌面の中に掲載されている私の広告は、決して大きなものではありません。

けれど、私にとって、この小さな広告には、とても大きな意味があります。

それは、全国のお寺の方々に「復活蝋色(ふっかつろいろ)」という仕事を知っていただきたいという思いです。

「磨いて、もう一度黒くできないだろうか?」

「復活蝋色」という技法は、最初から「新しい技法を作ろう」と考えて始めたものではありません。

きっかけは、お寺の方からいただいた一つの相談でした。

長い年月、大切に使われてきた漆塗りの仏具。

年月が経つにつれて漆の表面が曇り、以前のような黒い艶がなくなってきた。

そこで、

「塗り替えをしなければ綺麗にならないのだろうか」

「今ある漆を生かして、磨いて、もう一度黒くできないだろうか」

というご相談をいただきました。

その言葉が、私たちにとって大きな始まりでした。

漆塗りの仏具は、長い年月の中で少しずつ表情を変えていきます。

紫外線の影響で表面が曇ったり、使い込む事で細かな傷がついたり、艶がなくなったりすることもあります。

一般的には、「傷んだから塗り直す」という考え方もあります。

しかし私は、そこで一度立ち止まって考えました。

「本当に、塗り替えるしか方法はないのだろうか?」

長い年月をかけて、そのお寺で使われてきた仏具。

そこには、何十年、場合によっては何百年という時間が刻まれています。

その時間まで、新しい塗りに置き換えてしまう必要があるのだろうか。

まだ生かせる漆がそこにあるのなら、その漆を生かして、もう一度美しさを引き出せないだろうか。

そんな思いから、試行錯誤が始まりました。

新しくするのではなく、「生かす」

漆の状態は、仏具によって一つひとつ違います。

使われている環境も違えば、年月も違います。

そのため、ただ表面を機械的に磨けばよいというものではありません。

今の漆の状態を見極め、どこまで手を入れることができるのかを考えながら、丁寧に作業を進めていきます。

そして、少しずつ表面を整え、漆本来が持っている深い黒と艶をもう一度引き出していく。

新品のように作り直すのではありません。

今までそこにあったものを生かし、もう一度輝かせる。

それが、私たちが考える「復活蝋色」です。

だから私たちは、この仕事を単なる「修理」とは少し違うものだと考えています。

そこにあるものを見つめ、その仏具がこれまで歩んできた時間を尊重しながら、次の時間へつないでいく。

そんな仕事だと思っています。

なぜ『大乗』に広告を出し続けるのか

この「復活蝋色」を、もっと多くのお寺の方々に知っていただきたい。

そう考えて、私は『大乗』への広告掲載を続けています。

今年で8回目。最初は宗報から始まり大乗へ

8年間、毎年この場所に小さな広告を掲載してきました。

広告を見てお問い合わせをくださる方もいらっしゃいます。

「こんな方法があるとは知らなかった」

「うちのお寺にも、曇ってしまった仏具がある」

そう言ってご相談くださることもあります。

そして実際に仏具をお預けいただき、仕上がった姿を見て、

「こんなに綺麗になるんですね」

と喜んでいただけた時には、この仕事を続けてきてよかったと感じます。

一つの広告から、一つのご相談が生まれる。

そのご相談から、また新しいご縁が生まれる。

私にとって、『大乗』への広告掲載は、単に自分たちの仕事を宣伝するためだけのものではありません。

全国のお寺の方々に、「こういう方法もありますよ」とお伝えするための、小さな窓のようなものだと思っています。

仏具を、次の世代へ

仏具は、単なる道具ではありません。

長い年月、お寺の中で大切に使われ、多くの人の手を経て、手を合わせる場を支えてきたものです。

だからこそ、傷んだから新しくするという選択だけではなく、「今あるものを生かして、もう一度使い続ける」という選択肢があってもいいのではないかと思っています。

塗り替えずに済むのであれば、その分、修理にかかる費用を抑えられる場合もあります。

何より、その仏具がこれまで過ごしてきた時間を、そのまま次の世代へつないでいくことができます。

「古くなったから終わり」ではなく、

「まだ生かせるなら、もう一度生かしてみる。」

私は、そんな考え方を大切にしています。

今年も『大乗』の誌面に、小さな「復活蝋色」の広告を掲載していただきました。

その小さな広告を、全国のお寺のどこかで、誰かが目にしてくださる。

そして、もしその方が「うちの仏具も、もう一度綺麗にできないだろうか」と思ってくださったなら、それが私にとって新しいご縁の始まりです。

「『大乗』の広告を見ました。」

そんな一本のお電話から始まるご縁を、私は大切にしていきたいと思っています。

これからも、一つひとつの仏具と向き合いながら、長い年月を歩んできたものを、次の時間へつないでいく仕事を続けていきます。

本願寺出版社『大乗』を通じて、今年もまた新しいご縁が生まれますように。

塗り替えずに、艶を取り戻す。

それが、私たちが取り組んでいる「復活蝋色」です。

伝統を次世代へつなぐ「小さな広告」の大きな役割

浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺。その門前町に息づく伝統技術は、長い年月を経て今もなお、全国の寺院を支え続けています。本願寺出版社から発行されている仏教雑誌『大乗』は、僧侶や門信徒の皆様にとって、教えに触れ、各地の活動を知るための大切な媒体です。この『大乗』という誌面に、今年も「復活蝋色(ふっかつろいろ)」の広告を掲載させていただきました。

今年で8回目を迎えるこの広告掲載は、私たち「京仏具 藤田蝋色工芸」にとって、単なる宣伝活動以上の意味を持っています。それは、全国のお寺の方々に「塗り替え」という選択肢以外に、漆本来の美しさを呼び起こす「再生」という道があることをお伝えするための、大切な窓口なのです。小さな広告枠に込めた、伝統技術への誇りと、仏具を慈しむ心について詳しく紐解いていきます。

本願寺出版社『大乗』に、今年も「復活蝋色」の広告を掲載しています

『大乗』は、西本願寺に関わる方々をはじめ、全国の寺院や僧侶の皆様が手に取られる歴史ある雑誌です。仏教の教えや現代社会における寺院の在り方など、多岐にわたる情報が掲載される中で、私たちの広告は決して大きなものではありません。しかし、8年という歳月をかけて継続してきたことで、「あ、あの復活蝋色の広告ね」と声をかけていただける機会が増えてきました。

広告を出し続ける理由は、一人でも多くの方に「復活蝋色」という技法を知っていただきたいからです。仏具の艶が失われたとき、多くの方は「新しく買い替える」か「全面的に塗り替える」かの二択しか思い浮かばないかもしれません。しかし、長年お寺を見守ってきた仏具には、その場所でしか刻み込めない歴史があります。その歴史を消さずに、美しさだけを取り戻す手法があることを、この広告を通じて発信し続けています。

「復活蝋色」誕生のきっかけ:あるお寺様からの切実なご相談

「復活蝋色」は、最初から確立された商品として開発されたわけではありませんでした。その原点は、あるお寺様から寄せられた一通のご相談にあります。長年大切に使われてきた仏具の漆が曇ってしまい、本来の輝きを失っていたのです。その際、ご住職からいただいた言葉が、私たちの心を動かしました。

「長年使っている仏具の漆が曇ってしまった。塗り替えをしなければ綺麗にならないのだろうか。磨いて、もう一度黒くできないだろうか」

この問いかけに対し、私たちは漆芸の真髄である「蝋色(ろいろ)」の技術を応用し、表面の曇りを取り除き、再び深い艶を引き出す方法を模索しました。試行錯誤を重ねた結果、漆を剥がして塗り直すのではなく、今ある漆の層を丁寧に生かしながら輝かせる「復活蝋色」が誕生したのです。それは、お寺様の「思い出や歴史を大切にしたい」という願いから生まれた、慈しみの技術でもあります。

塗り替えずに、艶を取り戻す。その技術的な本質とは

漆塗りの仏具は、長い年月の中で紫外線や埃、摩擦などの影響を受け、表面に微細な傷がついたり酸化したりすることで艶が失われていきます。これを「曇り」と呼びます。従来の修繕では、この上から漆を塗り重ねる「塗り替え」が一般的でした。しかし、塗り替えは工程が多く、費用も高額になりがちです。また、これまでの使用感が完全に消え、まるで新品のようになってしまうことを寂しく感じる方も少なくありません。

「復活蝋色」は、漆の表面の状態を極限まで見極め、専用の道具と微細な研磨剤を用いて、丁寧に表面を整えていきます。ただ磨くだけではなく、必要に応じて生漆を摺り込み、漆の組織を強化しながら、本来持っている深い黒と鏡面のような艶を引き出します。この技法により、仏具が歩んできた歴史(傷や凹みなど)を「味」として残しながら、清潔感のある荘厳な姿へと戻すことができるのです。

復活蝋色と従来の塗り替えの比較

寺院仏具の維持管理における視点

古くなったからといってすぐに買い替えるのではなく、今あるものを大切に使い続けることは、仏教の「知足」や「もったいない」という精神にも通じます。「復活蝋色」は、まさにこの精神を具現化した技法と言えるでしょう。

特に、西本願寺をはじめとする伝統的な寺院建築や仏具において、漆の「黒」は空間を引き締める重要な要素です。この黒を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。復活蝋色を導入することで、限られたご予算の中でも計画的に仏具の美しさを保つことが可能になります。これは、次世代へお寺の資産を健全な形で引き継いでいくための、賢明な選択肢の一つです。

仏具は「お内陣」を支える大切な存在

仏具は、単なる儀式の道具ではありません。それは、何世代にもわたって多くの人々が手を合わせ、祈りを捧げてきた歴史の証人です。その表面に宿る曇りは、お寺が刻んできた時間の重みそのものかもしれません。だからこそ、私たちはその歴史を安易に消し去ってしまうのではなく、今ある姿を肯定しながら、もう一度光を当てたいと考えています。

「曇ってしまったから新しくする」のではなく、「まだ生かせるものなら、もう一度生かしてみる」。この選択は、仏具に対する敬意の表れでもあります。復活蝋色によって蘇った仏具の艶は、再び本堂に厳かな空気をもたらし、参拝される方々の心をも明るく照らすことでしょう。私たちは、技術を通じて、その「祈りの場」を守るお手伝いをし続けたいと願っています。

新しいご縁を楽しみにお待ちしております

今年も『大乗』の誌面に掲載された小さな広告。そこには、「塗り替えずに、艶を取り戻す。」という私たちの決意が込められています。もし、お手元の仏具の曇りや汚れが気になっているのであれば、ぜひ一度「復活蝋色」という選択肢を検討してみてください。新品にはない、年月を重ねた漆だけが持つ深い輝きを、私たちが責任を持って取り戻します。

「『大乗』の広告を見ました」という一本のお電話をいただけることを、私たちは何よりも楽しみにしております。これからも、西本願寺の門前で培われた伝統の技を磨き続け、全国のお寺様とのご縁を大切に育んでまいります。仏具の美しさを通じて、皆様の寺院がより一層輝きを増すことを願いつつ、一つひとつの仕事に精進してまいります。